FP2級(2級ファイナンシャル・プランニング技能検定)には学科試験と実技試験があり、両方に合格して初めて2級FP技能士の合格となります。学科は知識を幅広く問う試験、実技は具体的な事例や計算を扱う試験です。「実技」といっても面接や実演をするわけではありません。
2026年度は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)のどちらも2級をCBT方式で実施しています。学科の問題は共通ですが、実技は実施団体によって科目・出題形式が異なります。この記事では、公式要綱に基づき、学科と実技の違い、5つの実技科目の選び方、効率的な対策方法を解説します。
公式情報確認日:2026年10月31日。試験制度・科目・申込条件は変更される可能性があります。
FP2級の学科と実技は何が違う?【2026年度】
まずは試験時間・問題数・合格基準を比較しましょう。実技は日本FP協会ときんざいで満点と問題構成が違うため、同じ「実技」という名前でも対策する教材が異なります。
| 比較項目 | 学科(両団体共通) | 実技(日本FP協会) | 実技(きんざい) |
|---|---|---|---|
| 試験時間 | 120分 | 90分 | 90分 |
| 問題数 | 60問 | 40問 | 5題(事例形式) |
| 出題形式 | 四答択一式 | 多肢選択式・記述式 | 事例形式 |
| 合格基準 | 60点満点中36点以上 | 100点満点中60点以上 | 50点満点中30点以上 |
| 受検手数料 | 5,700円 | 6,000円 | 6,000円 |
出典:日本FP協会「試験要綱」、きんざい「FP技能検定2級」。手数料は非課税で、決済等の手数料が別途発生します。

学科試験は6分野の基礎知識と判断力を問う
学科は60問の四答択一式で、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野が対象です。制度の内容を覚えるだけでなく、適切な説明を選ぶ力が求められます。
きんざいの公式案内では、2級の学科問題は日本FP協会と共通と明記されています。そのため、学科対策では両団体の共通範囲に対応する教材を使えます。ただし、受検先を選ぶときは学科だけでなく実技の内容まで確認してください。
実技試験は事例・資料の読み取りや計算が中心
実技は、相談者の条件や資料を読み取り、年金・税金・保険・資産運用などに関する計算や判断を行います。名称から「口頭試問がある」と誤解されがちですが、2級CBTの実技はテストセンターのパソコンで解答する試験です。
学科の正誤判断ができても、数字を使った計算や設問条件の読み取りに慣れていないと実技で時間がかかります。学科をひと通り終えてから実技を始めるのではなく、各分野の知識と対応する実技問題をセットで解くと理解をつなげやすくなります。
FP2級の実技は5科目|日本FP協会ときんざいの違い
日本FP協会には「資産設計提案業務」の1科目、きんざいには4科目があります。受検申請時に自分が受ける実技科目を選びます。
| 実施団体 | 実技科目 | 学習内容を選ぶときの視点 |
|---|---|---|
| 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 家計・資産設計を幅広く扱いたい |
| きんざい | 個人資産相談業務 | 個人の資産・ライフプランを扱いたい |
| きんざい | 中小事業主資産相談業務 | 中小企業・事業主に関するテーマを学びたい |
| きんざい | 生保顧客資産相談業務 | 生命保険に関連する相談業務に関心がある |
| きんざい | 損保顧客資産相談業務 | 損害保険に関連する相談業務に関心がある |
右列は科目名と試験範囲をもとにした編集部の選択の目安であり、科目の出題内容がその領域だけに限定されるという意味ではありません。各科目の正式な出題範囲は公式サイトで確認してください。

実技はどれが簡単?合格率だけで選ばないほうがよい理由
「日本FP協会のほうが簡単」「きんざいは難しい」と一律には言えません。実技は科目によって問題の内容が異なり、受検者の経験や学習背景も違います。異なる集団の合格率を単純比較しても、あなたが受けたときの合格しやすさは分かりません。
例えば生命保険業務に携わっている人なら、生保顧客資産相談業務のテーマに馴染みがあるかもしれません。一方、家計・住宅・資産運用などを幅広く学びたい人は、資産設計提案業務や個人資産相談業務の公表問題を比較する方法があります。どちらが自分に合うかは、実際の設問を見て判断するのが確実です。
実技科目の選び方|失敗しにくい4ステップ
- 受検目的を明確にする:仕事で使いたい知識か、家計・資産形成のためかを整理します。
- 公式の出題範囲を確認する:日本FP協会ときんざいで、実技の科目名と扱う内容を確認します。
- 公表問題を試す:計算量、事例の長さ、用語の馴染みやすさを比較します。
- 教材の実技対応を確認する:書籍・通信講座の対応科目が、申し込む科目と一致しているか確かめます。

実技科目の対応を間違えると、学科の勉強は進んでも実技演習の教材を買い直すことがあります。教材の購入前に、実施団体と実技科目を決めることをおすすめします。
学科・実技を並行して学ぶ勉強法
① 学科で制度の仕組みを理解する
まずテキストで基本用語と制度の全体像を押さえ、すぐに四択問題を解きます。正答だけを覚えるのではなく、他の選択肢が誤りになる理由も説明できるか確認してください。知識が曖昧な場合は、テキストの該当箇所へ戻ります。
② 同じ分野の実技問題を解く
例えば公的年金の学科を学んだら、年金額や受給条件に関する実技の事例問題を解きます。保険なら保険金・必要保障額、不動産なら面積や税制など、知識を数字や条件に当てはめる練習をします。
③ CBTの画面上の計算機に慣れる
2026年度のCBT試験では、試験ブースへ自分の電卓を持ち込めません。試験画面上の計算機を利用する方式です。普段の学習でも、ときどきパソコン上の計算機を使って計算手順を確認すると、当日の操作に戸惑いにくくなります。
④ 制限時間内で学科と実技を別々に演習する
学科120分・実技90分という時間配分を意識し、最終段階では時間を測って解きます。間違いは「知識不足」「計算ミス」「設問の読み落とし」「時間不足」に分け、原因ごとに復習方法を変えると効率的です。
学習期間を決めるときは、当サイトのFP2級の勉強時間と15週間の学習計画も参考にしてください。
学習方法も比較したい方へ
教材だけで理解しづらい場合は、動画講義や問題演習を組み合わせる方法があります。受検資格の有無と実技科目への対応を確認して選びましょう。
学科か実技だけ合格した場合は?一部合格と免除
FP2級は学科・実技の両方に合格する必要がありますが、一方だけ合格した場合は「一部合格」として扱われます。日本FP協会の試験要綱では、合格した試験実施日の翌々年度末まで、有効な一部合格を使って試験免除を申請できます。
例えば2026年度に一部合格した場合、期限は原則2029年3月31日です。ただし、申込先や実技科目によって免除手続きに違いがあります。日本FP協会で、きんざいの実技科目を免除することはできないため、他団体で合格した科目を利用する場合は、必ず両団体の公式案内を確認してください。
よくある質問
Q. FP2級は学科だけ合格すれば資格が取れますか?
いいえ。2級FP技能士としての合格には、学科・実技の両方の合格が必要です。片方のみの場合は一部合格となり、期限内に免除を申請できる制度があります。
Q. 実技試験は面接やロールプレイングですか?
いいえ。2026年度の2級実技はCBT方式で、パソコンを使って設問に解答します。
Q. 日本FP協会ときんざいで学科問題は違いますか?
2級の学科問題は共通です。異なるのは実技の選択科目と問題構成です。
Q. 実技の教材はどれを買ってもよいですか?
いいえ。実技科目ごとに問題が異なるため、教材が受検する実技科目に対応しているか確認してください。
まとめ|学科は共通、実技は受検科目に合わせて対策
FP2級は、学科が120分・60問、実技が90分です。学科問題は両団体で共通ですが、実技は日本FP協会の1科目ときんざいの4科目から選びます。合格率のイメージだけで決めず、公式の出題範囲と公表問題を確認し、教材の実技対応をそろえることが大切です。
まだ受検資格を確認していない方はFP2級の受検資格と3級なしで受ける方法、3級と2級の違いから知りたい方はFP3級とFP2級の比較記事をご覧ください。
参考情報・確認日
最終確認:2026年10月31日。この記事は試験実施団体の公式情報をもとにした一般的な学習案内です。試験の変更・免除の可否は必ず受検先でご確認ください。